コラム

「とりあえずNISA」から卒業!安心してお金を増やすための「投資3.0」のススメ

こんにちは。ファイナンシャル プランナーの小中(こなか)です。

2人に1人がNISA口座を持つ国民総投資時代がやってきました。本格的なインフレ時代に入り、ただ預貯金で持ち続けていてもお金の価値は下がっていき、どんどんと貧しくなっていくことを日々の生活の中で実感し始めた人たちが、追われるようにNISA口座を開設し始めています。投資への大きな1歩を踏み出したことはとても意味ある事です。

一方で、いくら投資を始めてもお金に対する漠然とした不安は消えない人が多いのも事実です。どうせ投資を始めるのであれば、お金の不安がなくなり安心した人生を送りたいものです。本日はそのための考え方を解説いたします。

投資1.0:周囲に流される「とりあえず投資」

とりあえずNISA口座を開設し投資を始めた人を投資1.0と定義します。投資への大きな1歩を踏み出したことはとても素晴らしいのですが、「みんながやっているから置いていかれたくない」「とりあえずNISAとiDeCoはやっておかないと損する」といった「○○しなければいけない」という投資は精神的にも安定しません。「○○したい」とは思えていないので、何を買ってよいのかわからず、とりあえず人気のあるオルカンとS&P500を買おうとか、手数料が安いから買おうといった動機です。そもそも購入する商品に価値を感じているわけではないので、ここ数年のように株価の調子が良いときはいいのですが、○○ショックのような株価の暴落を経験してしまうとたちまち不安に飲み込まれてしまいます。投資による資産形成で最も大切なことは、とにかく少しでも長く続けることで複利効果を得ることです。長く続けるために必要なことは、感情に飲み込まれないことです。欲求という感情に飲み込まれてしまうと短期売買で目先の利益を得ようとしてしまいますし、不安という感情に飲み込まれると、思ったより増えていなかったり、マイナスになってしまったタイミングですぐに売却したくなります。株価はその時々でトレンドがあるので短期の成果にとらわれていては、本来その商品が持っている価値を手に入れる前に手放してしまいます。一番最悪なのは、短期的なパフォーマンスの悪い商品を売却し、短期的なパフォーマンスの良い商品に乗り換えてしまうことです。安いときに売却し、高いときに買ってしまうわけですから、そんな売買を繰り返していては資産が増えるわけありません。最低でも5年は保有しないと本来その商品が持っている平均的なパフォーマンスを手に入れることはできません。

投資1.0は、購入する商品に価値を感じて投資をしていないので、SNSなどに流れてくる情報に惑わされ、自分が保有していない今調子の良い商品のことばかりが気になってしまいます。そこで次に目指してほしいのが投資2.0です。

投資2.0:目的を明確にする「自分軸投資」

例えば、老後の年金では足りない2000万円を補填するために投資を行うとか、将来は毎年海外旅行に行きたいからそのために投資をはじめ資産形成を行うとか、子供のやりたいことを応援してあげたいから投資を行うとか、投資に目的をもたせることで、何のために投資をするのかを明確にし、そのための仕組みと商品選定を行えば、感情に飲み込まれることなく長く投資を続けられます。他人がやっているからではなく、自分の中に目的をもたせれば、周りが気にならなくなります。

投資に価値を感じ、自分がやりたいから行う投資のことを私は自分軸投資と呼んでいます。それでも○○ショックのような下落を経験したときに不安な気持ちは生まれますが、本来の目的に立ち返ることさえできれば、不安に飲み込まれることはなく、長く投資を続けられるのです。これが投資2.0です。そのためにライフプランを作り、お金を見える化し、目的地を設定するのです。

投資3.0:社会への貢献と価値を実感する「安心の投資」

そして、最後に目指すべきは投資3.0です。どうせ投資を行うのであれば、その投資を行っていることで安心した日々を過ごしたいですよね。そのために大切なことは、数字の向こう側の価値をちゃんと感じておくことです。本来投資というのは、株価という数字に投資をしているのではなく、数字の向こう側の価値に投資をしているのです。自分のお金を投資信託を経由して、世界中の企業が代わりに使うことで、社会の様々な課題解決を行い、価値を生み出し、結果としてその企業が成長し、株価が上がり、自分の資産も増えるのです。自分のお金が社会を循環し、世界のどこかで役に立っているという感覚を持てたら、不安よりもワクワクする気持ちの方が大きくなるかもしれません。また、大きな株価の下落があっても下落しているのは株価であり、その向こう側にいる企業の価値が変わっていないのであれば、必ず株価は企業の価値ぐらいまでは戻ってきます。例えばコロナの時に世界中の企業の株価は暴落しましたが、コロナが来たからと言ってみんながディズニーを嫌いにはなっていないし、相変わらずiPhoneを使っているのです。

つまり、株価は下がってもディズニーやアップルの価値は下がっていないということです。だから半年もすれば株価は企業の価値ぐらいには戻ったのです。ぜひ自身のお金がどういう企業にわたり、社会のどのように役立っているのかに目を向けてみてください。その結果として自身の資産形成も行われていく。この感覚を持てたら投資3.0です。

小中 順子(Konaka Junko) FP事務所ライフナビ代表 / ファイナンシャル・プランナー

顧客一人ひとりの「心の豊かさ」を第一に考えたライフプランニングを提案。「数字を追うだけの投資」ではなく、家族との時間や日々のゆとりを大切にしながら、無理なく続けられる資産形成の普及に努めている。特に30代〜50代の現役世代から、現実的で温かいアドバイスが支持されている。

関連記事

ページ上部へ戻る