コラム

【2028年改正】遺族年金はどう変わる?「一生から5年へ」変更点と影響をわかりやすく解説

遺族年金って何?

働いて厚生年金に入っていた人が亡くなったとき、残された配偶者や子どもに国からお金が払われる制度です。この仕組みが2025年6月にできた新しい法律で見直され、2028年度から大きく変わります

何が変わるの?(大きく6つ)

  1. もらうのに「収入が少ないこと」という条件がなくなる
  2. 男女で扱いが違っていたのをそろえる
  3. 受け取れる期間が原則「5年間」になる
  4. そのかわりの上乗せ(有期給付加算)と「死亡分割」ができる
  5. 中高齢寡婦加算(40代以上の妻への上乗せ)を少しずつ廃止
  6. 子どもがいる場合の加算額を増やす

一番大きいのは「一生 → 5年」

いまは、夫を亡くした30歳以上の女性は一生もらえる一方、妻を亡くした男性は55歳未満だと1円ももらえませんでした。かなり不公平ですよね。

改正後は男女どちらでも同じルールになり、60歳未満で配偶者を亡くした人は原則5年間の支給になります。期間は短くなりますが、そのぶん金額は上乗せされて今の約1.3倍になります。さらに、亡くなった人の年金記録を分けてもらえる「死亡分割」という仕組みができ、自分が65歳から受け取る老齢厚生年金に加算されます。

5年たった時点で障害がある人や収入が少ない人は、そのまま受け取り続けられます。

図1 改正前と改正後の比較(「子」がいない場合)

死別したときの状況 改正前(現在) 改正後(2028年度〜)
女性/30歳未満で死別 5年間の有期給付 原則5年の有期給付
金額は約1.3倍に上乗せ
男女・年齢による差はなし
女性/30歳以上60歳未満で死別 無期給付(一生)
男性/55歳未満で死別 給付なし
男性/55歳以上60歳未満で死別 60歳から無期給付
男女/60歳以上で死別 無期給付(一生) 無期給付(変わらず)

一番のポイントは、改正後の欄が1つにまとまっていることです。改正前はバラバラだった扱いが、改正後は「60歳未満ならみんな同じ」に統一されます。

得する人と損する人がはっきり分かれます。55歳未満で妻を亡くした男性はこれまでゼロだったので大きくプラス、逆に30歳以上で夫を亡くした女性は一生もらえたものが5年になるのでマイナスです。ただし2028年度末に40歳以上の女性は今までどおりなので、実際に影響を受けるのは若い世代になります。

影響を受けない人もいる

  • 2028年度末に40歳以上の女性(1989年4月1日以前生まれ)→ 今までどおり一生もらえる
  • 2028年3月31日までにすでに受け取る権利がある人
  • 60歳以降に配偶者を亡くした人 → 男女とも一生もらえる
  • 18歳年度末までの子どもがいる人 → 子どもが18歳になる年度末までは打ち切られない

中高齢寡婦加算はゆっくり廃止

40歳以上の妻に65歳まで上乗せされていたお金(2026年度は年635,500円)は、2028年度から25年かけて少しずつ減らし、2053年度に完全になくなります。いきなり消すと生活設計が狂うので、時間をかける形です。ただし、すでに受け取り始めた人は途中で減らされません。

5年で終わったあとはどうなる?(死亡分割)

図2 35歳で配偶者を亡くした場合のイメージ

時期 受け取れるもの
35歳〜40歳(5年間) 遺族厚生年金+有期給付加算
40歳〜65歳(25年間) 遺族年金なし
65歳〜 老齢基礎年金+老齢厚生年金(+死亡分割の上乗せ)

35歳で配偶者を亡くした場合、40歳から65歳までの25年間は遺族年金が出ない「空白期間」になります。ここは自分で働いて備える必要があるので、「ライフプランへの影響が大きい」と言われるわけです。

そのぶん65歳以降は、離婚時の年金分割と同じ考え方で亡くなった配偶者の記録を分けてもらえるので、自分の老齢厚生年金が少し厚くなります。ただし夫婦の年金記録を合算して分ける仕組みなので、自分の老齢厚生年金がもともと多い人には支給されない可能性もあります。

まとめると

「女性だけ手厚い・一生もらえる」制度から、「男女平等・期間は短いが金額は厚い」制度への転換です。今40歳未満の人ほど影響が大きいので、自分がどの区分に当てはまるか確認しておくと安心です。

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