コラム

変額保険ってどんな仕組み?「働けなくなったら」に備える考え方

丸い透明なドームに守られた小さな植木鉢から、若い芽がすくすく育っている。周りにはハートや小さな花が浮かんでいる。

こんにちは。FP事務所ライフナビの小中 順子です。

NISAなどで老後に向けた資産づくりを始める方が増えています。「年金を受け取りながら、NISAで積み立てて、できるだけ長く働く」。そんな計画を立てている方も多いのではないでしょうか。

ただ、この計画で困るのは「働けない体になってしまった」万が一のときです。そのリスクに備える手段の一つが「変額保険」です。

今回は、変額保険がどういったものなのかを、4つのポイントでわかりやすく解説します。

① 変額保険は「団信」のようなもの

変額保険は、よく「団信のようなもの」と言われます。

団信(団体信用生命保険)とは、住宅ローンを組むときに加入する生命保険です。元気なうちは働いてローンを返していきますが、大きな病気などで返済が難しくなったときは、保険会社が代わりにローンを返してくれます。

老後の資産づくりも、実は同じです。老後に4,000万円足りないなら、「4,000万円の借金を返している」のと同じ状態といえます。元気なら、働きながら積み立てて返していけます。でも、途中で大きな病気になると、返済(=資産づくり)が止まってしまいます。

団信病気などで返済が難しくなったとき、保険会社が住宅ローンを代わりに返してくれる
変額保険保険料を運用して老後の資産を育てる保険。特約によっては、病気になっても資産づくりが続く

変額保険は、払い込んだ保険料を運用して資産を育てていく保険です。商品によっては「三大疾病保険料払込免除特約」を付けることができます。がん・心疾患・脳血管疾患などで所定の状態になると、それ以降の保険料の払い込みが免除になり、保険料を払わなくても契約と運用が続きます。

たとえばご夫婦でそれぞれ持っていれば、どちらかが大きな病気になっても、その方の老後の資産づくりは止まりません。これが「老後の資産形成版の団信」と言われる理由です。

② 認知症への備えになる

NISAで積み立てている投資信託は、本人が認知症になると、売却して現金にすることが難しくなります。成年後見制度を利用しても、後見人の役割は本人の財産を守ることなので、自由にお金を引き出せるわけではありません。

一方、変額保険は商品によって、あらかじめ指定した代理人が本人に代わって請求できる仕組み(指定代理請求制度)があります。

「子どもに迷惑をかけないよう、認知症になったら施設に入るためのお金を準備しておきたい」。こうした目的には、心強い備えになります。

③ 万一のときに、すぐお金を渡せる

NISAで運用している資産は、亡くなると相続財産になります。遺産分割協議書を作成し、証券会社で手続きをしないと、名義変更や現金化はできません。相続人に未成年のお子さんがいると、手続きにはさらに時間がかかります。

一方、変額保険の死亡保険金は、受取人の「固有の財産」として扱われ、遺産分割の対象になりません。受取人が自分で請求して受け取れるので、渡したい人に、確実に、早くお金を残せます。これが生命保険の大きな魅力で、変額保険にもこの機能が備わっています。

※死亡保険金は相続税の計算では「みなし相続財産」として課税対象になります。ただし「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。

④ なぜ、あまり知られていないの?

NISAは、ネット証券などの広告をよく目にしますよね。一方、変額保険は一般的に、担当者から説明を受けて加入する商品で、広告を見かけることはあまりありません。そのため、広く知られていないのです。

担当者を通すのには理由があります。変額保険は、病気・認知症・相続など、「最後にどう受け取るか(出口)」まで考えて選ぶことが大切な商品だからです。万一のとき資産がどうなるかまで考えると、仕組みを理解し、納得してから始めることが何より大切です。

知っておきたい注意点

  • 元本保証はありません運用成果によって、受け取る金額は増えることも減ることもあります。
  • 早く解約すると、払い込んだ額を下回ることがあります長く続けることを前提に考える商品です。
  • 保障がある分、費用がかかります運用の費用に加えて保障のための費用などがかかるため、NISAの投資信託より費用は高めになるのが一般的です。
  • 特約や代理請求の内容は商品ごとに違います付けられる特約や、代理人が請求できる範囲は、保険会社や商品によって異なります。

まとめ

変額保険は、「働けなくなったとき」「認知症になったとき」「亡くなったとき」にも老後の資産づくりを支えてくれる、「老後の資産形成版の団信」のような保険です。

NISAとは仕組みも費用も違うので、どちらか一方ではなく、ご家庭の目的に合わせて組み合わせを考えることが大切です。

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※本記事は変額保険の一般的な仕組みについての情報提供を目的としており、特定の保険商品の募集や加入の推奨を目的とするものではありません。商品の内容・特約・保障の範囲は保険会社や商品によって異なります。変額保険は運用実績によって保険金額や解約返戻金額が変動し、元本は保証されません。税務の取り扱いは2026年11月時点の一般的な内容であり、個別のケースでは異なる場合があります。ご検討の際は、各保険会社の契約概要・注意喚起情報等を必ずご確認ください。

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